1025年6月 超えるってのは②
迎えてくれたイツ花さんの向こうに、ゆっくり倒れるきりえちゃんの姿が見えた気がしました。
写真には撮れませんでしたが、続く言葉は「お倒れになった方がいらっしゃいます。お気を強く持ってこちらへ…」でした。
きりえちゃん、おかえり、って、言ってくれたかな。おそらく、血塗れの夢ちゃんを抱えている姿も、見えたと思います。
奥義を編み出したのは、錦様の采配でした。
フィジカルの強さもあって、どんどん進んでいけた世代。
それが、敗北の文字。でも、このとき、きりえちゃん本人はほぼ無傷で。本当に、本当に、申し訳なくて。
そこからの、髪切り。
鎮魂墓への最奥に行くのは、プレイヤーのこだわりだったと思います。
そこの髪を、止まってた世代のお子と、孫で、ね。撃ち倒して。
うん。
………きりえちゃん……
これは、誰に向けた言葉だろう、と思いました。
そしてね。
まったく、化けて出るつもり、満々じゃないか、と思いました。
これを見ると、表出に恵まれてたんだなぁ。フィジカル、全部いいの引いてたんだ。そうかぁ。きりえちゃん、きりえちゃん……
色々な思いが、巡りました。
それでね。
夢ちゃん。
生きてたんです。
半端なこと、ってなんだろうと思いました。
錦様の遺言が、頭をよぎりました。
屍を超えるために、錦様と、きりえちゃんが、夢ちゃんを現世に留めてくれたのかな。
生きること、生き残ること。超えるっていうのは、そういうことなのかな。
そう思ったかも、しれません。
このあたり、補完でまとめられたらいいな、と思います。
ありがとうね、きりえちゃん。
化けて出るのは、少し待ってくれると嬉しいなぁ。
ね。