世代の終わり
討伐から、急いで帰ってきた三人。
きっと、一番先に屋敷についたのはひたちゃんだったと思います。ひおりんは、どうだろうな。ちゃんと、胸張って、帰ってこれたかい?
帰ってすぐでした。装束を着替える間も無く、煤けた顔のまま駆け寄ったことだと思います。
ぁあぁ………
ちいねちゃん、当家、最長寿です。システム最長寿ではありませんでしたが、それでも、山越え後の辛い時期を、本当に長く支えてくれました。
本当にね、うるちゃんの時も言ったんですけど、めちゃくちゃ華々しい戦果なんですよ
ボスもバンバン倒して
選考試合だって出場して、華々しく優勝して。
うるちゃんの背中を、ときには支えて、ときには叩いて。そうして臨んだ山越えでした。
でも……だめだった。
ほとんど間をおかずに、交神して。
子どもに、職業を継がせたのは、ちいねちゃんだけなんですよね。自分がやってきたことを、きちんと伝えたかったんだと思うんですよ。怖がりだけど、ものすごく強かったから。
最後に鳥居に行ったときは、どう思ったんだろう。ねえ、ちいねちゃん。
そして、眠るように彼女は目を閉じて。ぽつりと、家族に声をかけました。
ぁあぁ…ああーーーーーー……これは、うるちゃんのことだよね……って、この画面を見たとき、プレイヤーは真っ先にそう思いました。
踊りと小唄を見に行くんだよね…
きっとそこには、お父さんも、優しい兄さん姉さんもいるよ。
ゆっくり、休んでね、ちいねちゃん…
そして、おそらく、日をおかずに。
あずまくんが、息を引き取りました。
明美ちゃんと、やさしいカンメイねえさんのお子、あずまくん。
山越えのとき、最年少だったのになぁ…
母さまと、二人の姉さんに囲まれて、姉さんたちと同じように、華々しい戦果を挙げて。
終わるって思ったのにな。一番悔しかったのは、あずまくんだと思うんですよ。
カンメイちゃんが、生きてくれると思っていたから。たくさん、これからのことを、話していたはずだから。それが、潰えて。
きっと、なかなか動けなかったであろう彼を、母であるカンメイちゃんと、二人の姉さんが支えて、立ち上がって。
二人の弟と、自分の娘がきたとき、
自分を奮わせたのだと思います。
白骨城。すばらしい戦果だったもの。
上には姉さんたち、下には弟たち。
間に挟まれた時期が長かったから、賑やかに過ごしていたんじゃないかな。なんて、思っていました。
これは、弟たち、そして娘に言ってるんだよね…………みんなで寝てたのかなぁ。兄上のいびきと歯ぎしりがうるさくて寝られなかった、なんて、笑いながら、旭くんあたりに言われたことがあったのかなぁ。それとも、ひたちゃん?
朱点は倒したはずなのにね…
山越え世代の完結が、同時逝去になるだなんて、思ってもみませんでした。
先に行ったうるちゃんを、一人にしたくなかったのかな。
カンメイねえさまと、四人でひとつのチームだった、山越え世代。
ほんとにおつかれさまでした。ゆっくり…ゆっくり休んでね。