生温く湿ったような匂いが、障子の隙間からぬるりと流れ込んでくる。とうに日は落ち、湯も浴びたというのに、着たばかりの寝巻は汗でへばりつくようだった。 昼間、庭ではひっきりなしに蝉が鳴いていた。夏はこれから盛りを迎える。まだまだ暑くなるのだろう…
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