日録 そしておしまい
六月十三日
自分で書いた文字が、だんだんと追えなくなってきた。結局、わたしはなにがしたかったんだろう。
むぎは相変わらずだけど、わたしが咳き込むとずいぶん辛そうな顔をする。こういうとき、どう声をかけるべきか、いまだにわからない。謝ると、謝らないでといわれてしまう。申し訳ない、以外の気持ちが見当たらなくて、でもそんな顔をして欲しくないから今日は頭をなでてあげた。小町が帰ってきたら自慢する、と嬉しそうにしていた。良かった。このところ、むぎが寝るのが早い。わたしの身の回りのことをずっとしてくれている。疲れていなければいいのだけど。