大食一族 久遠の詩

俺屍リメイクをプレイします

最終決戦①

もはや嗅ぎ慣れてしまった血腥さのなか、不安定な足場を進んでいく。
足を進めるたびに響く、不愉快な粘質音。踏みしめているのに、前に進んでいるはずなのに、あまりに変化のない赤黒い景色。押し寄せる鬼の群れに、物理的に足元を掬われるような心地がして、思わず大きく息を吐いた。弓を握りしめると、硬くなった指先の皮膚が、やたら強く存在を主張してくる。僅かな違和感に手元を見て、ああ私は震えているのかと、そう思った。
けれど歩みを止めるわけにはいかない。この階段を、この道を、踏み外してなるものか。脳みその中で自分を鼓舞しながら、つま先に意識を遣る。
上へ、上へ、止まるな、止まるな。
一段一段上がり幅の違う段差に足を取られそうになりながら、足を進める。たまらなく底意地の悪い作りに、この場の主の、純真無垢な悪意が透けている気がした。

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